8月15日は、この国では「光復節(こうふくせつ)」と呼ばれ、朝鮮半島の日本からの解放を祝う祝日である。この日朝鮮半島では、民族解放の喜びに沸き立ち、各地で日章旗が降ろされ、朝鮮王朝時代からの国旗である太極旗が掲げられた。政治犯のほとんどが日本本土では10月まで釈放されなかったが、朝鮮半島では多くが8月16日と17日にに釈放され、8月17日にはには朝鮮神宮が焼き討ちされたという。
ソウルから南の忠清南道天安市の郊外に「独立記念館」はある。この場所が選ばれたのは、「柳寛順」の生誕の地というのが、主な理由である。彼女の存在の大きさを改めて教えられた。
同館は、鈴木善幸と中曽根内閣の「歴史教科書問題」に端を発し1982年から建設資金を国民からの募金で集め、1987年の8月15日に開館した。121万坪の大地に、壮大な記念碑・大会堂や展示館が並び、韓国が国威を賭けて作ったことを伺わせる。あえて8月15日を選び、訪問してみた。入り口で日本人であることを告げると、歓迎を受けた。
真夏の炎天下、多くの人で賑わっていた。記念日にあたり入場は無料である。日本人であることに肩身の狭さを感じながら入場した。多くのイベントが準備されていた。
ゲートを入ると、目の前に「キョレー(民族)の塔」がある。鳥が翼を立てた形になっている。これを過ぎると正面に「キョレー(民族)の家」という大会堂がある。
第3展示館の「日帝侵略館」、第4展示館の「3・1運動館」が見ごたえがある。「日帝侵略館」は、日本の韓国侵略の歴史を、日韓併合から日本の敗戦による韓国の植民地解放までを中心に展示している。「3・1運動館」は、抗日独立運動の軌跡とこれに対する日帝の弾圧を展示している。
(尹奉吉(ユン・ボンギル)安重根・金佐鎮の義士が並ぶ)
|