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  クチトンネル・ホーチミン戦争犯罪博物館
             
ベトナム戦争の残像Ⅱ

  ベトナム社会主義共和国                       


  
            〈1971年に破壊された米軍戦車。トンネルの入り口は本当に狭い。2003 12 26 〉
                
 
   
 
  
               
 〈クチトンネル〉

  
           〈落とし穴の展示は印象深い〉

   
          〈民衆が手作りの武器を作る展示〉

     
               〈日本語ガイドさん〉

 

 中心都市ホーチミンの近郊北60㎞ほどのところに、有名なクチトンネル」がある。ここは南ベトナム民族解放戦線の拠点となり、アメリカ軍を大いに悩ませた地域である。解放戦線は地下トンネルを掘りめぐらし、本当の民衆の戦いを挑んでいった。クチトンネルは、総延長250㎞にもなる。米軍は対抗して枯葉剤を撒き、地上は荒れ当てた土地となったという。

ホーチミンから、地元ツアーに参加した。入場料4ドルは別料金だが、日本語ガイドさんつきのツアー料金は僅か4ドルである。

「落とし穴」には実に多くの種類があり、実際に使われている。物量の米軍に対抗するために、ベトナムの人々は手作りでである。さぞかしアメリカ軍兵士も恐ろしい思いで、ジャングルを進んだ事だろう。

 そして、名物になっている実弾を撃つアトラクションがある。一発1ドルで実弾を買い、それを手にもって銃のところに行って撃つわけである。本物の銃であるから衝撃と音は凄まじい。
 200mほど先の的を狙う。私は5発撃って、前半の3発が命中して驚いた。景品まで頂いたが、嬉しくなかった。人を殺す道具なのだから。その後2時間ほど、左耳が聞こえなくなった。戦時中は大変だったであろう。

9人の日本人が参加したおかげで、日本語ガイドさんが付いた。ガイドさんは、解放戦線兵士を『ゲリラ』と呼んでいたが、ゲリラではなく、ベトナム民衆の正規兵である。誇りを持って、『兵士』として紹介してもらいたい。祖国と民族のために戦ったのだから。

ベトナム戦争証跡(犯罪)博物館                

このように名づけられた博物館が、ホーチミン市内中心部にある。名前の通り、戦争犯罪・あるいは戦争そのものを犯罪と捉えた展示が成されている。写真撮影に関しても規制はない。より多くの人々に見てもらい、より多くの人々に伝えて欲しいという願いが込められている。

決して広くはない館内に、かなりの数の展示が成されている。訪問客は年間約30万人で、そのうち日本人が11万人を数えるという。
 戦車・ヘリコプターなどの兵器類の展示以上に数多いのは、アメリカ軍兵士の拷問・虐殺などの写真展示である。
 日本軍の南京事件を彷彿とさせるものが多い。またアメリカ軍同様に、南ベトナム政府による反政府運動関係者に対する弾圧・拷問・処刑についての展示があり、大いに勉強させられた。

これらはあまり知られていないが、戦争以前に多くの人々が犠牲になっているわけだ。僅か30年ほど前の真実が、語られている。左は、戦死した日本人石川カメラマンの作品である。本当の戦争の姿を見事に表現している。戦争で、被害をこうむるのは必ず弱者である。一般住民そして、女性と子供である。

ベトナム戦争が終結したのは、1975年4月のことである。アメリカ軍がベトナム政策の失敗を自覚して撤退した2年後であった。南ベトナの大統領官邸に、北ベトナムの戦車が突入するシーンを全世界が注目した。

これ以外にも、数多くの博物館がある。ホーチミン記念館・ホーチミン博物館・ベトナム歴史博物館・ベトナム革命博物館などである。ベトナム国民の、壮絶な戦いの歴史を見ることが出来る。

  市民生活

 ホーチミンという町の名は、勿論建国の父・社会主義の英雄『ホーチミン』を由来としている。かつては、『サイゴン』と呼ばれていたことも有名だ。
 この町の名物は、なんと行っても『オートバイ』である。価格が高くても
(15万円以上)、故障の少ない日本車に人気が集中している。全てのバイクは、ホンダ製に限らず『ホンダ』と呼ばれている。車は、家を建てるよりも高いという。

ベトナム食は、驚くほど全てが美味しい。生春巻きをはじめとして、『これまでの、自分の食生活はなんなのか』と、思うほど洗練されていた。
 物価も安く缶ビール約
30円・缶ジュース約20円ほどである。そして意外に美味しいのは、パン。フランス植民地時代の影響か、フランスパンが驚くほど美味しい。そのサンドイッチも30円ほどである。

そしてコーヒーも、絶賛できる。コンデンスミルクを使用したアイスコーヒーを、名産品とは知らずに口にした時の感動は忘れられない。ちなみにお金の計算は、15,000ドンが日本円で100円程度。物価は、市内路線バス14円。タクシー初乗り約40円。ホテルは、二人部屋の場合、1000円程度からバストイレつきになる。1500円程度でエアコン・テレビ・冷蔵庫もついている。私たちは、2,200円のところを利用し申し分なかった。
 アメリカドルもかなり使用できるので、便利である。お金のごまかしなどもなく、治安もよく大変旅行しやすい印象を受けた。

 
    
          〈ホーチミン戦争犯罪博物館展示のもの。左は拷問を受けた腕。右は「水攻め」の拷問を米兵がしているところ〉

    
          〈ホーチミンの肖像と銅像 ホーチミン中央郵便局て〉             〈クチトンネルでの実弾射撃は一発1ドル〉

  
   〈ホーチミン市の中心「ベンタイン市場」 オートバイが名物〉     〈サイゴン時代の大統領官邸 現在は観光地になっている〉

       
                     〈1975年大統領官邸に突入した北側の戦車〉

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