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    白色恐怖政治と緑島 Ⅱ


  
中華民国台東県緑島                                                                                
     

 
        〈「緑州山荘」に隣接する新生訓導処。50年前の写真と比べてみると「将軍岩」が印象的だ。 2014 1 5〉

 



 
        (新生訓練処の入り口の「新生門」〉
 


 
         
  〈新生訓練処の建物〉〉 


 新生訓導処

 緑州山荘の隣に「新生訓導処(1951-1965)」の施設がある。ここは死刑などを免れた政治犯を再教育する施設である。比較的罪の軽い人々が収監されていたことになる。
 労働と洗脳教育(思想改造)が中心となったため新しく生まれ変わらせる「新生」という言葉が使われている。ここでも十年以上囚われの身となった人々が数多い。
  

 これらの施設に収監された人々は、当然ながら国民党政権にとって迷惑な存在だった知識が多くを占める。そのため現在活躍する著名人も多く、施明徳(政治家、元民主進歩党主席)、柯旗化(文学家、英語教育家)、陳菊(現在の女性高雄市長)などがあげられる。
 これらを見ると、「恐怖政治」が近年まで行われていたことが実感できる。一見のんびりした南国「台湾」の厳しい現実と歴史を思い知らされた。

施設を見学し屋外に出ると、気持ちを更に暗くさせるこの季節特有の黒く低い雲の切れ間から薄日が差した。少しだけホッとする気持ちになったが、鋭い金属音があたりに響き渡っていた。対岸の台東の空軍基地から飛び立った戦闘機が、訓練を繰り返しているのである。

先に訪問した台南でも台東でも、そして後日の花蓮でも戦闘機が飛び回っていた。大陸中国との「緊張関係」はかつてほどではないものの、確かに「台湾とはなにか」「中華民国とはなにか」という問いを改めて我々に投げかけてくる


   
                           〈収監されていた白色テロの犠牲者 女性も含まれている)                             

   
    〈共産主義を打倒し大陸に復活すべしとのスローガンが残る)           〈鋭い金属音の中華民国の戦闘機〉


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