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Sneaky Attack! だまし討ち
USS Arizona 戦艦アリゾナ
ハワイ諸島
〈現在のArizona Memoreal 2008 8 3〉
(沈む USS Arizona〉
〈この位置に爆撃を受けた〉
〈少なくとも4つの隔壁を突き破っている〉
もうひとつの強力な兵器は、「水平爆撃」と呼ばれる800キロもの爆弾を上空から投下するものである。これを搭載する飛行機(九七式艦上攻撃機)そのものが4トン程度の重さである。それにこの重量の爆弾を搭載するのであるから、大変な負担である。参加した日本軍 350機のうち103機がこの「水平爆撃機」となり、そのうち第一次攻撃隊に参加した49機全てにこの800キロ徹甲爆弾が搭載された。上空4000㍍から編隊を組み、投下するスタイルをとる。命中度は高くないが、戦艦の40センチ砲弾を改造して作られたこの爆弾は、何枚もの甲板を貫き船底近くで爆発する威力は相当なものであった。命中度が下がっても高い高度をとるのは、この貫通能力をより高めるためであった。
さて現地の代表的なメモリアルになっている戦艦「アリゾナ」は、工作艦ベスタルとフォード島に挟まれた位置関係にあり、雷撃からは免れたもののこの爆撃機の攻撃を受け4本の命中弾を受けたが、そのうちの水平爆撃の800キロ爆弾(空母「蒼龍」の金井昇一飛曹説)が幾重もの装甲板を突き破り、攻撃開始直後の8時10分艦内奥の弾薬庫近くで爆発した。目撃者の話では、大爆発の瞬間艦艇全体が一瞬持ち上がったという。犠牲者の数も最も多く、1177名(乗組員総数1400名)に上っている。 つまりこの日の死者2403名の半数が、「アリゾナ」の乗組員ということになる。
現在海底に鎮座したままの「アリゾナ」の船体を、海面上で跨ぐような形で白い建物「アリゾナメモリアル」が建てられている。そこには専用のボートで年間150万人が訪れる。
海面の白亜の建物の中には、1177名の名前が刻まれたメモリアルがある。一人一人の名前を読んでいくと、胸が詰まってくる。
またこの建物から水面を望むと、円筒形の建造物が水面上に出ている事に気がつく。これは戦艦「アリゾナ」の後部にある第三砲塔(35.6cm砲)の、台座部分である。これだけでもかなりの臨場感があるが、その台座の脇からは現在も艦内からの油が少しずつ漏れだしている。私は当初、黒い固まりのようなものを連想していたが、実際にはまるで息をしているかのように液体状の油が、しみ出しては虹状に水面上に出て次々に広がっていくものであった。「この船は、まだ生きている」強烈な印象を与えてくれた。
日本軍の攻撃は、どんな理由をつけても宣戦布告前の「不意打ち」であった。
当時のルーズベルト政権にとっては、どんなことがあっても国民世論結集のために「最初の一撃」は日本にさせたかった。事前に大統領が、日本の攻撃を知っていたかはここでは言及しないが、米国人はこの攻撃を「Sneaky Attack だまし討ち」と呼び始めた。「Remember Pearl Harbor」とは異なり、なんと日本人にとっては悲しい呼び名であろう。
〈鎮座するアリゾナのイメージ〉
〈第三砲塔が水上に出ている〉 〈お世話になったwork shopの仲間と〉
■Paerl Harbor Work Shop 2008 公式報告書はこちらです
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